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> プロジェクト > 遊休不動産の活用「Wine & Space Puzzle.H」
再生事例

ワインを通じて人が繋がる、使われなくなった空間が紡ぐ新たな物語

兵庫県西宮市

兵庫県西宮市における遊休不動産の再生プロジェクト。 使われなくなった空間のポテンシャルを引き出し、地域に開かれたワインショップ「Wine & Space Puzzle.H」へと生まれ変わりました。 既存の建物の魅力を活かした空間づくりにより、ワインを通じて人と人が自然に交わる、新たな街の拠点を創出しています。

Story

ご相談背景

西宮市にオープンしたワインショップ「Puzzle.H」。

オーナーのH様とは、数年前にマンション探しのお手伝いをさせていただいたことがきっかけで、今回のご縁へとつながりました。

元々ワインのインポーターとして活動されていたH様から、「ワイン会のできるワインショップを開きたい」というご相談をいただき、物件探しから設計・施工までトータルでサポートさせていただきました。

いくつか物件をご提案する中で、なかなかしっくりくるものに出会えずにいたところ、長年空き家となっていた一つの店舗に目が留まりました。

規模としては大きく、築年数も古い。一見すると今回の計画には不向きにも思える物件でしたが、立地の良さと建物そのものが持つポテンシャルに可能性を感じ、活用できないかと考えました。

古さはリノベーションによって魅力に変えることができる。
広さは分割することで、事業として成立する形にできる。
そう判断し、この場所で進めることをご提案しました。

ただし、この物件は募集されているものではなく、いわゆる“眠っている空き店舗”。オーナー様へお手紙を書き、直接お会いして想いをお伝えし、今回お借りすることが実現しました。

本物件の再生プロセスについては、別プロジェクト「zero ichiniwa」にて詳しくご紹介しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。

BEFORE 外観

|BEFORE 内観|

Process

施工・デザイン

元々室内にあった階段については、外壁の位置を調整し、外部から直接アクセスできる構成へと変更しました。

これにより、1階と2階の利用者を分けることが可能となり、一体だった空間をそれぞれ独立した用途として再編しています。

大きすぎた一つの店舗を、無理なく使い切れる規模へと分割することで、継続性のある計画としています。

計画にあたっては、建物の持つ古さを単に隠すのではなく、素材や空間の雰囲気として活かしながら、ワインショップとして求められる快適性、特に断熱性能の確保にも配慮しています。

一時的な施工のしやすさではなく、お店として長く続いていくための在り方を重視し、配置や動線を検討しました。

ワインボトルが並ぶ棚は、空間の余白を大切にしながら、一本一本が主役になるよう照明設計にもこだわりました。

コンセプトである「ワイン会ができる場」という要素も取り入れ、単なる物販にとどまらない、体験のある空間として設計しています。

古い建物特有の制約もありましたが、それを逆手に取ったレイアウトの工夫により、狭さを感じさせない、むしろ隠れ家のような居心地の良さを実現しました。

After

その後

Puzzle.Hは、ワイン愛好家だけでなく、近隣の方がふらりと立ち寄れるコミュニティの場としても育ち始めています。
人が集まることで、この場所に少しずつ賑わいが生まれ、街にも新たな活気が感じられるようになってきました。

長年空き家として気にされていたオーナー様にも、「こうして使ってもらえて嬉しい」とお言葉をいただいており、建物が再び活かされていることを実感しています。

「以前は何のお店だったか思い出せないけれど、ずっとここにあったような気がする」

お客様からのそんな言葉こそが、建物と街が再びつながった証です。

Re Loopが目指す「再生」とは、建物を直すことだけではありません。
そこで紡がれる新しい物語をつくること。Puzzle.Hは、まさにその象徴と言える事例となりました。